不公平な組織文化がある企業は、間違った意思決定により業績が低迷する

企業の業績が低迷する原因は、大きく分けて外的要因と内的要因があります。前者はサービス特徴の喪失や市場の変化などで、後者は不正の蔓延やコミュニケーション不足といった組織内マネジメントの不備です。

また、急に業績が落ちた場合は原因を見つけやすいのですが、長年にわたってジワジワと低下している場合は、ハッキリとした原因や対策を打ち出すのが困難です。

私が勤める会社もそのひとつ。売上が年々ジリジリと下がり続け、2014年度にはとうとう赤字に転落しました。

そこで、業績が低迷する原因を調べてみたところ、興味深い論文がありました。それは、組織文化は企業業績に影響を与えるという内容です。

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その報告を、以下に引用します。

組織文化が企業業績に影響を与えるのは、従業員に共有される価値観や信念という組織文化が、従業員の行動を左右すると考えられているからである。

組織文化が組織内部の従業員の活動を左右するほどの影響力を有するならば、組織文化が企業の境界決定に関する意思決定に影響を与えている可能性は大きい。

なぜなら、企業の境界決定に関する意思決定は、企業経営に多大な影響を与える、不確実性が大きな意思決定と判断されるからである。

経営戦略上重要な意思決定は一般に大きな不確実性を伴うが、そのような意思決定においては、選択肢を合理的に評価することは難しく、組織文化に代表される企業に関係する様々な状況(context)が影響を与える。

企業の境界に関する意思決定と組織文化」より

まとめると、価値観や信念といった組織文化は、従業員の行動だけではなく、企業の重要な意思決定にも影響を与える、ということです。

外的要因による苦境を乗り越えられる企業がある一方で、私が勤める会社のように、業績の大幅ダウンに陥る企業もあります。後者の大きな原因は、社内外のリスクに対して的確な意思決定ができない組織分化(風土)にあると、私は考えています。

企業風土により間違った意思決定がなされ、業績低下に結びついた例として記憶に新しいのは、2015年に発覚した、東洋ゴムの免震装置ゴム不正問題です。調査の結果、組織ぐるみの改ざんが行われていたことが分かり、外部調査チームも「企業風土の問題」と断言しました。この例での間違った意思決定とは、言わずもがな、組織ぐるみの改ざんです。

ここで、もうひとつ文献を紹介します。

組織の公正性が低い場合には従業員による非倫理的行動が多くなることがわかった。従業員は常に経済的、社会的に自らが所属する組織と繋がっており、組織が公正性を欠くということは、従業員にとっては経済的損失や社会的同一性の否定などを意味する。また、公正性とは道徳的にも達成されなければならない状態であり、不公正が存在する場合には公正を取り戻すように行動するのである。そして、その過程において、組織の費用を持って不公正を回復しようとしたり、組織に対して報復的行為をとったりすることがあり、それらが非倫理的行動となって現れるわけである。

(中略)

従業員による非倫理的行動を解決するにあたっては、倫理的制度の運用の仕方をよく考え、組織の風土にまで落とし込む試みが大切であり、報酬や昇進、意思決定、人間関係において、従業員目線での公正を達成することが大事である。

組織公正と従業員の倫理的行動に関する実証研究」より

不公平な組織では、公平さを取り戻すために、従業員も組織に報復するということです。ここでいう報復とは、組織の費用をムダに使ったり、備品を壊すなどですね。

私が勤める職場の例をあげますと、以前、私用の遅刻・勤務時間中の中抜けを平気で行う一方で、気に入らない人物に対しては厳しく接する(パワハラを行う)従業員がいました。しかし、上司は従業員からパワハラの報告を受けても見てみぬフリ。不公平感は是正されず、従業員の間で「上司はパワハラを放置する」という評判も立ち、見えない所でサボったり文句を言うことで、組織に報復するようになってしまいました。

このように、組織の不公平感が放置されると、従業員は何らかの形で組織に報復します。従業員の問題行動の原因が、全て不公平な組織風土にあるとまでは言えませんが、少なくとも、不公平感の放置は、生産性の悪化を招くだけではなく、不適切な意思決定にもつながります。ひょっとすると、不適切な意思決定そのものが、組織への報復かもしれません。

解決策として大切なことは、文献に述べられているとおり、制度が適切に運用されて、従業員視点で公正が達成されることです。

私が勤める会社の業績低迷の原因も、外的要因ではなく、不公平な風土という内的要因にあるのかもしれません。赤字脱却のためには、公正な風土を整える必要がありますが、このような意見を述べる場すら無い今の環境では、残念ながら難しいでしょうね。このままならば、最悪、市場に見放されて倒産の恐れもありそうです。備えだけはしておきます。

haniwaのヒトコト

勤める会社の業績が低下することを見越して、コッソリ複業しておいて本当に良かったと、小さな胸をなでおろしまくっているところです。

また、こういう会社を投資対象に選ばないためにも、決算書だけではなかなか見えない組織風土にも気を配っていきたいです。

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