妊娠中に有機溶剤を扱う仕事から離れる方法

妊娠中、あるいは近々妊娠を希望する女性にとって、有機溶剤を使用する仕事は色々気になってしまいますね。理解ある職場でしたら、一時的に担当を変えたり、有機溶剤を使用する場所への出入りを禁止するなど、上司の指示により適切な措置がとられますが、不幸にもそうではない職場の場合は、自分で調べて自分で行動する必要があります。

私の職場は後者で、上司が有機溶剤(クロロホルム)の催奇形性を知らず、ドラフト(溶剤の排気を吸引する設備)や保護具も整っておらず、揮発した蒸気を吸い放題、手に着いたら経皮吸収し放題という環境です^^;
しかし、色々調べて上司に交渉したところ、まだ妊娠していませんが、現時点でも溶媒をなるべく触らないようにしてもらえ、妊娠中は一切触らないと約束してもらえました。私の職場は無知ではありましたが理解はあった、といえそうです。

しかし、溶媒の危険性を知りながら、妊娠中に一切の対策も無く仕事をさせる会社でしたら、退職も視野に入れた方が良いかもしれません。

今回は、私個人の交渉が成立するまでの流れを書いてみます!

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1.上司に妊娠希望中である事を伝える

子どもは授かりもので、さらに上司が男性の場合はなかなか伝えにくい事ではありますが、私は有機溶剤を使う仕事もありますので、意を決して(笑)伝えました。そうすることで、妊娠した場合の仕事の引継ぎに方法なども事前に相談できるようになり、より働きやすい環境になりました。
もし、妊娠希望を上司に伝えた際、露骨に嫌な顔をされたら・・・そんな会社とは一刻も早く縁を切りましょう。働き続ける価値は、その会社にはありません。

2.有機溶剤の使用が続く場合は、その溶剤の毒性を調べる

1を実行しても上司からの指示が何も無い場合は、私の職場のように上司が有機溶剤の危険性を知らない可能性や、妊娠した女性はすぐに退職すると考えている可能性などが考えられます。
このような場合は、今後の行動を自ら行っていく必要があります。

薬品の詳細は、以下のようなサイトで調べられます。

職場のあんぜんサイト(厚生労働省)
参考:「クロロホルム」の検索結果はコチラ

国際化学物質安全性カード(ICSC)
参考:「クロロホルム」の検索結果はコチラ

また、産業医科大学のサイトには以下のQ&Aで「実験の継続はやめておいた方が無難」と述べられています。
有機溶剤と妊娠について

さらに、2012年10月に、母性保護のための「女性労働基準規則」が改正され、生殖機能などに有害な物質が発散する場所での女性の就業が禁止されました。
詳細はコチラ、概要はコチラ

こんな法律ができていたなんて、今回改めて調べるまでまったく知りませんでしたよっ!
(新たな法律が従業員にまったく浸透していない実例ですね^^;)

3.上司に使用している溶剤の毒性を伝える

私は、「国や国際的な機関で、今使っている溶媒(クロロホルム等)により胎児に悪影響が出る可能性が指摘されていますが、どうしたら良いでしょうか?」というように、上司に相談する雰囲気で伝えました。まっとうな会社・上司なら、たとえ無知でも、この時点で何らかの対策が講じられます。

しかし、「有機溶剤は有害だから担当を変えて!」というように、方針を自ら決定したかのように伝えるのは止めたほうが良いでしょう。あくまでも上司に「相談」するスタンスで!

私の会社では、この時点で、一時的な担当替えを行い、なるべく有機溶媒から離れるようにしてもらえました。

どうにも交渉が上手く行かない場合は、以下の識者や先人の知恵を借り、最悪、労災や訴訟になり得る事をやんわりと伝えると良いかもしれませんね!

4.識者や先人の知恵を借りる

Web上には既に、似たような質問がたくさんあります。「妊娠 溶媒 流産」などで検索すると色々な情報がヒットします。

なかには「労災認定されました。安全配慮義務違反で民事訴訟するには?」という相談も。妊娠中に有機溶剤を使用していた方が切迫早産した相談です。

既に妊娠されている場合は、産婦人科の先生に相談しても良いでしょう。

参考.NPO法人労働相談センターさんに相談してみました!

私の場合は、とりあえず会社に配慮してもらえましたが、今後、この配慮がくつがえらないとも限りません。

そこで、念のため、妊娠しているにも関わらず有機溶剤を扱う仕事に従事させられる場合はどうすれば良いかNPO法人労働相談センターさんに伺ってみました! いただいた回答を以下に転載します。

事業者への申出に際しては母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)をご利用されるのが有効かと思われます。

このカードは主治医が行った指導事項の内容を、事業主に明確に伝達するカードであり、この指導事項に基づき事業主は女性労働者の健康管理のために適切な対応をとる必要があります。

そのため、まずは病院に業務内容を伝え、有機溶剤を扱う業務を変更することを主治医に記載して頂くのが良いかと思われます。

母健管理カードのダウンロード先を載せておきましたので、ご確認お願い致します。
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm

また、もしこのようなカードを提示しても同様の業務内容を強制された場合、労働基準法第64条の3に違反しますため、労働組合にご相談されることをお勧め致します。

会社に労働組合がない場合、お一人でも加入できる労働組合(ユニオン)がございます。当センターにてユニオンをご紹介することが出来ますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせ 
NPO法人労働相談センター
Tel:03-3604-1294・03-5650-5539

また、インターネットで全国をカバーする「労働組合ジャパンユニオン」もあります(下記参照)。eメールで加入の申込みができ常時労働相談が受けられますので、ご利用になってもよろしいでしょう(入会金2000円・組合費月額1000円)。

労働組合ジャパンユニオン
東京都葛飾区青戸3-33-3野々村ビル1階
TEL 03-3604-1294
eメール j-union@jca.apc.org
ホームページ http://www.jca.apc.org/j-union/
担当 矢部(やべ)

丁寧な説明で、「もしも」の時のためのユニオン情報も教えてくれるなど、心強いですね!
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)もはじめて知りました^^ ちなみに、その内容は以下。

母健連絡カード1母健連絡カード2

自らの力で解決できれば良いですが、解決できない場合は、色々な所に相談すると、解決の糸口がつかめるかもしれません♪

haniwaの実感

こういうデリケートな問題は当事者が声をあげない限りは、なかなか目が届きにくいのかもしれません。実際、私の職場でも、2012年10月に改正された「女性労働基準規則」が話題になることはもちろん、上司からの案内も一切ありませんでした。

「妊娠してから有機溶剤の暴露を止めれば良いのでは?」という方も居るかもしれませんが、胎児の奇形を起こしやすいのは妊娠初期での暴露です。妊娠がハッキリ分かるまではおおよそ1ヶ月前後かかりますが、その間に溶剤をジャブジャブ使い、後に胎児の異常が分かってしまったら、悔やむに悔やみきれません。

私の職場では、ドラフトなどの換気設備すら無いなか、塩素系溶媒をたくさん使い、さらに最も多く使う溶媒のクロロホルムの有害性を上司が把握していなかったことから、より危険側にたった対応を心がけています。

また、社員教育が行き届いていない職場では、上司の同意はいただけたものの、他の職場メンバー、特に指示待ちの人には気をつけておいた方が良いです。これは私の実例ですが、「妊娠中でも上司の指示が出たら溶媒を使え」と考える人は、残念ながら少なくありません。NPO法人労働相談センターさんに「妊娠しているにも関わらず有機溶剤を扱う仕事に従事させられる場合はどうすれば良いか」と改めて相談したのもこのためです。

有機溶剤の害として、印刷会社で働く人の胆管がんが労災認定されたのは記憶に新しいですね。仕事・プライベートともに、自分の身の安全は、自分で確保するのが一番です!

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