アナタの会社はどちら?-「儲かる会社、つぶれる会社の法則」感想

儲かる会社、つぶれる会社の

タイトルに惹かれて手にとってみました。
この本は、ファンドマネージャーの著者が、5700人の社長と会って見つけた儲かる会社・つぶれる会社の法則です。企業への観察眼を養うことで、一人ひとりが投資家的生き方、つまり何にエネルギーを投じてどんなお返しを得るかを自ら選び、自分の人生を自分の意思で主体的に生きることを提案しています。

この本で紹介している法則は、ひとつ当てはまったからといって、それで全てを判断するものではありません。しかし、私が投資したいと思う会社や、逆に投資したくない会社には、複数の法則が当てはまっており、納得できる内容でした。また、つぶれる会社の法則は、私の職場に当てはまる事も多く、「人の振りみて我が振り直せ」を改めて感じました。

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株価と業績は一致する

株式投資では、企業の業種や規模、有名無名にかかわらず、すべての企業にあてはまる大原則があります。それは、「長期では企業業績と株価の動きがほぼ一致する」ということです。
(p022)

上場後に利益率が数パーセントも落ちてしまう会社は珍しくありません。当然、株価はどんどん下がっていきます。こうした現象はよく「上場2年目のジンクス」などと言われますが、実は、起こるべくして起きている問題なのです。
 2年目のジンクスは、起きないように努力しなければ必ず起きます。
(p170・強調は著者によるもの)

著者によると、半年から1年程度で業績が株価に与える影響が増し、3年ほどのスパンで考えれば利益と株価の動きがほぼ一致するそうです。今後成長する会社に長期で投資すれば利益を期待できるということですね。株式投資では、短期的な利益に目がいきがちですが、投資先を検討する際には、事業規模の大小にかかわらず、今後成長する会社かどうか見極めたいですね。

一方で、上場準備に追われ来期の事業計画が甘くなったり、上場後に社員の気がゆるんでしまうことは、確かにあるでしょう。著者は、上場のメリットを得ながらジンクスにはまらず順調に成長を続けるには、「上場後も従来と変わらない姿勢を保ち続けられるかどうか」が鍵であると指摘しています。私も、上場間もない会社に投資する際は、2年目のジンクスに惑わされず、また仮にジンクスに陥っていたとしても、長期的に成長できるか慎重に判断したいと思います。

成功する社長の特徴

経営理念やビジョンを話すときに目を輝かせる社長は、信頼できます。トップが情熱を傾けない事業には、成功の芽はありません。
(p044)

思考がポジティブかネガティブかにかかわらず、成功する社長に共通するのは、実は粘り強くあきらめない姿勢です。
(p055・強調は著者によるもの)

「社会貢献」と「成長」に対して不真面目な会社には、投資したりすべきではありません。
(p179・強調は著者によるもの)

社長と話していてパワーを感じるかどうか、タフさがあるかどうかに注目すべきと著者は指摘しています。私も、元気な会社の社長に何度かお会いしてきましたが、皆が皆、ポジティブ思考ではありません。ネガティブ思考はリスクマネジメントに強く、最悪の事態を想定し体策もたてていたりすることから、ポジティブ思考一直線の社長よりも信頼できることが多いです。

社会貢献とは会社の社会的役割を果たすことであり、成長とは売上げと利益の成長です。著者は、この両方がバランスよく達成していることが大切であるとしています。そもそも、社会貢献とは、企業が社会的意義を考えてビジネスを真面目に行うことそのものであり、慈善活動や環境保護、弱者救済ばかりではありません。日本には「社会貢献は無料で行うべき」という考えが多く、就職先にNPOを選ぶ方も少ないそうですが、それは、社会貢献の解釈の幅が狭く、寄付の文化も無い事が原因ではないかと思います。そのため、私個人としては、企業活動そのものが社会貢献であると認識して事業を行い、成長している企業には好感が持てます。一方、社会貢献を単なる印象アップの手段と認識している企業はあまり好きにはなれませんね^^;

危ない会社の特徴

会社として合理的な行動をしているかどうかをチェックする視点を持つことが大切です。「不合理な事を社員に強いている」「不合理なことをしていることに誰も気づいていない」といった会社は、就職先、投資先、取引先などとして問題ないのかどうか、慎重に見極めたほうがいいと思います。
(p099)

会社で働いて得る給料はすべてお客様からの売上げから支払われており、会社からお金が出てくるわけではありません。つまり、給料というのは100%お客様からもらっているものなのです。
 ところが、こうした意識が薄く、「会社の中でうまくやれるかどうかで給料が決まる」と思い込む社員は少なくありません。そして、このような考えに基づいて行動する社員が増えるほど、会社は腐っていきます。
(p187)

商品やサービスの発注先に対して「使ってやっている」とでもいうような態度を取るような会社は、いずれパートナーの協力を得られなくなって成長できなくなるでしょう。
(p196)

私の過去の経験から言えるのは、立場によって話し方や態度を変える人が成功することは少ないということです。
(p198)

著者は、この他にも多くの特徴をあげていますが、ここでは私の職場に当てはまる事をあげてみました。

一番の問題は、上述のようなことが職場の文化として定着し、ギモンの声をあげる人が誰もいない、あるいは声をあげても無視されるという点につきます。

内部の問題を解決しようとしない、あるいはできない企業は、大小様々な問題が起こります。先日のニュースで話題になった、年金10億円未払い問題も、内部告発を1年間放置され、いよいよ外部の機関に相談したことで明るみになりました。顧客や取引先とのトラブルが多い企業も要注意。長期的な利益に期待して、そして意外と!?フィーリングで投資を決めている私にとっては、このような企業には投資したくないですね。

投資家的とは、主体的であること

自分を投資家と考えると、社会との向き合い方が変わります。
(中略)
会社で働くというのは、多様な選択肢の中でその会社を選び、情熱や知恵や時間を注ぎ、社会に貢献する充足感や自己成長、そして給与というお金を得るという行為です。投資先は自分の意思で変えることもできますし、独立企業することも選択肢です。
(p208)

私は、投資も仕事も、ローリスク・ローリターンが好きです。基本的にケチくさいんでしょうね。しかし、ひとつの会社に収入の全てをゆだねるのは、今後はリスクが高くなってくるでしょう。

人として信用されない人物が大きい顔をしている職場に、将来性があるとは思えません。しかし、この点については、実際に職場に入ってみないと分からないのも事実。私は日頃から複業を勧めていますが、転職への理解が遅れている日本では、最初の就職で問題のある職場に入ってしまったら、やり直し(再就職)が非常に難しい、というのも理由のひとつです。

実際、業績悪化により複業を認めている企業も増えてきています。また、(株)エンファクトリーのように「専業禁止」とする企業も出てきています(参照:「副業禁止」ならぬ「専業禁止」を貫く、エンファクトリーが面白い)。

転職したり、起業するのも結構ですが、複業もひとつの選択として考えておくと、将来の幅が広がるのではないでしょうか。

haniwaのヒトコト

一番良いのは、投資先の会社を実際に見てみることですね。
この本の後半で紹介されている、起業の成長をみる「ナオコの法則(ナ:ナカマ、オ:オコナイ、コ:ココロ)」も、一定の参考になります。それを知りたい方は、是非本書を手にとってみてください!

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