環境を変えたければ、自分で変える、自分で動く-「置かれた場所で咲きなさい」感想

ベストセラー本のなかで興味がわいた本書を読んでみました。

著者はキリスト教徒で、著者の思考にも多いに影響を与えています。さすがベストセラーと思える名言も多々ありますが、我慢や忍耐を良しとする側面もあるため、理不尽な仕打ちを受けている人にとっては、地獄の延長になってしまうかもしれません(著者も過去にうつ病を2年間患っています)。

ひとつの考え方として参考にはなりますが、実践できそうに無い環境下にある方は、置かれた場所から逃げることも選択肢に入れておいた方が良さそうです。

それでは、本書のなかで「良いな」と感じた点を以下に紹介いたします。

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どんなところに置かれても花を咲かせる心を持ち続けよう

置かれた場所に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと、決心することができました。それは「私が変わる」ことによってのみ可能でした。
(p12)

不平をいう前に自分から動く

幸せを他人まかせにしてはいけない、自分が積極的に動いて、初めて幸せを手に入れることができるのだという真理です。便利さを追い求め、面倒なことを嫌いがちな現代の忘れ物の一つは、自分が動くこと、そして世の中を明るくしてゆこうという積極性なのです。
(p29)

「私のほほえみは、“神さまのポケット”に入ったのだ」と考える

自分が期待したほほえみがもらえなかった時、不愉快になってはいけない。むしろ、あなたの方から相手にほほえみかけなさい。ほほえむことのできない相手こそ、あなたからのそれを、本当に必要としている人なのだから、
(p40)

現実が変わらないなら、悩みに対する心の持ちようを変えてみる

 今あなたが抱えているたくさんの悩み。それらを一度整理してみてください。変えられない現実はどうしようもない。無理に変えようとすれば、心は疲れ果ててしまう。ならば、その悩みに対する心の持ちようを変えてみること。そうすることでたとえ悩みは消えなくとも、きっと生きる勇気が芽生えるはずですから。
(p26)

著者が一貫して主張している事は、環境を変えたければ、まず自分で変える、自分で動くという事です。

私が考える不平不満の根源を3つ述べると、行きすぎた平等主義(平等教育)美徳とされる我慢や忍耐他力本願的考えになります。

教育現場では、多少の不平等はあっても平等は良い事と教えられていますが、いざ社会に出てみると不平等に溢れています。そんななかで不平等で理不尽な仕打ちを受けたとしても、我慢や忍耐が良しとされているため自分から意見することは難しく、誰かが救いの手を差し伸べてくれないかと懇願します。しかし、その現状に気づく人はいなかったり、見て見ぬフリをされたりすると、不平不満は一気に心の中に広がり、ネガティブスパイラルに陥ります。

このような不満は、職場ではパワハラを行う上司など、家庭では家事・育児をしない夫や、イヤミを言う姑などに向けられます。意見を戦わせて、あるいはその場から逃げて解決したという話は聞きますが、我慢して改善したという話はあまり聞きません。このことからも、救いの手を期待して我慢するのは良い解決法とは言えません。

「環境を変えたければ、まず自分で変える、自分で動く」
当たり前の事ですが、実践は難しいですね。

価値観は言葉以上に、実行している人の姿によって伝えらえる

 三歳ぐらいの子どもを連れた母親が、水道工事をしている人たちのそばを通りながら語って聞かせています。「おじさんたちが、こうして働いていてくださるおかげで、坊やはおいしいお水が飲めるのよ。ありがとうといって通りましょうね」
 同じところを、これまた幼い子を連れた別の母親が通りかかります、子どもに向かっていいました。「坊やも勉強しないと、こういうお仕事をしないといけなくなるのよ」
 価値観はこのようにして、親から子どもに伝えられることがあるのです。最初の母親は、人間はお互い同士、支え合って生きていること、労働への感謝の念を子どもの心に植えつけたのに対し、二番目の母親は、職業に対する偏見と、人間を学歴などで差別する価値観を植えつけたのではないでしょうか。
(p47-48)

親が子どもに物事を教えるときに元になるのは、親がこれまで培ってきた価値観です。また、このような会話は、子どもに対してだけではなく、大人同士でもみられます。私も、頭では差別は良くないと分かっていても、とっさの受け答えではつい後者のような伝え方をしてしまうかも・・・と、ドキっとしました。

他人の振り見て我が振り直せ、ですね!

2%の余地

 人間は決して完全にわかり合えない。だから、どれほど相手を信頼していても、「100%信頼しちゃだめよ、98%にしなさい。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておきなさい」といっています。
 人間は不完全なものです。それなのり100%信頼するから、許せなくなる。100%信頼した出会いはかえって壊れやすいと思います。
(p137)

100%の信頼は期待し過ぎにつながり、最悪、相手の人格をもコントロールできるという誤解にもなり得ます。
そのような盲目的信頼は非常に危険ですが、98%は多いくらいです。私は、信頼8割・許容範囲2割を心がけています。
ちょっとした間違いも許せる広い心を持ちたいものです。

haniwaのヒトコト

サクっと読める本です。現状に何となく不満があったり、現状を良くしたい、と思っている方にオススメです!

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