「強要される手作り」の危険性


2013年7月25日のNHKニュース特集に、「“働く母親”市場を狙え」と題した記事がありました。

「忙しい母をターゲットとしたビジネスが注目されている!」という内容で、その事自体は、将来ママになりたい私も期待していますが、ママさん向け商品を開発するキッカケとなった「保育園から出された要求」に違和感を覚えたため、ご紹介いたします。

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負担を強要される現実

私が違和感を覚えた内容は以下。

ミーティングに参加した母親社員たちは、子どものために何枚も巾着袋を作らなければならなかったことや保育園から“手作り”を求められて苦労したことなど、自分たちの経験を基に自社の通販で扱ってほしい商品やすでに販売されている商品の改良点などについて意見を出し合いました。

実際私も、ママさんとの会話で「保育園から手作り雑巾の提出を求められて大変だった」という話を聞いており、フォロワーさんの話でも、持ち物全てに名札を縫いつけたという内容も。。。

現代は、夫婦共働きが多く、核家族化も進んでいる一方で、父親の家事・育児不参加はあまり改善していない事は、多くの方が指摘しています。

このような時代に、何故「手作り」が求められているのでしょうか。

この背景には、手作りにかける時間=愛情の深さ、という固定観念が潜んでいる事がうかがえます。

もちろん、手作りを楽しんで行うなら効果的だと思います。しかし、手作りを無理強いされている場合はどうでしょうか。

手作りをはじめとする、子どもにかける時間が外部から強要されたものであったり、親の負担になっている場合、それは時として親のエゴにつながります。「こんなに頑張って手作りした私は素晴らしい親に違いない」、「私がこんなに努力しているのに、子どもは応えてくれないのね!」という、負担への見返りを求める思考です。もし、この思いに子どもが応えられないなら、最悪、虐待に発展する可能性もあります。

発言小町の手作りは愛情か?スレッドでも、「度を超えたものは愛情ではなく自己満、エゴだと思います。」という意見が寄せられています。

また、手作りしない親に対しては「ダメな親」というレッテルが貼られる恐れから、「我慢して手作り」している人もいるでしょう。

つまり、手作りの強要は、親のエゴや、子どもに見返りを求める思考につながるばかりか、選べる選択肢はたった一つという排他的で画一的な環境を生み出します。横並び思考の強い日本人の国民性が現れているといえるかもしれませんね^^;

多様化する親の環境にそぐわない制度

私は、手作りでも、既製品でも、必要な物が用意できるのであれば何でも良いと思っています。

専業主婦だったり、親が育児を手助けしてくれるなどで、子育ての時間に余裕を持てるなら手作りにすれば良いですし、夫婦共働きの核家族で、忙しくてなかなか時間がとれない場合は、父親が手作りしたり、既製品を購入する事もアリでしょう。

私が薄ら寒いと感じた点は、子どもを持つ親の環境が多様化しているなか、いまだに一律「母親」の「手作り」が求められている点です。

本来、働く親の子育て負担を緩和するために子どもを預ける場所が保育園であるにも関わらず、現実にマッチしない制度のために、保育園からの要求が親の負担になっているという、本末転倒な現象が起こっているといえます。

「手作り風前掛け」などの、働く母親をターゲットにしたビジネスそのものは、ユニークで興味深いです。しかし、母親が無理強いさせられている現状を前提とした「負担を軽くするためのビジネスモデル」だけではなく、「現状そのものを変えられるビジネスモデル」にも期待しています♪

Twitterでの反応

最後に、この報道に対するTwiterでの反応を箇条書きで紹介します。

  • 女性の社会進出を進めたいなら、こういう「無理強い」も見直してもらいたいわ。(私のつぶやき)
  • スマートキッチンのとこ。そもそも母向けの商品を男性だけで決めてたのか…とビックリ。
  • 女性の社会進出に反対したくなる記事だなぁ。子育てと両立させる際の負担をどうするのかという視点が全くない。
  • 「働く母親」市場のためにがんばる人が増えてさらに男たちが家に帰ってこない素敵な世界。母親以外の人の帰宅時間には一切触れぬ。
  • 父親のちの字も出てこねえ。

haniwaのヒトコト

私が感じた違和感以外にもツッコミ所満載のようですね^^;

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