そのトクホ、大丈夫? 産学官の癒着が疑われる事例


最近、大学と企業による論文捏造が話題になっています。しかし、アヤシイ科学は論文不正だけではありません><
今回は、不正とまではいかないものの、大学と企業が癒着していると思われる一例をご紹介いたします。

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花王のトクホ商品の疑惑

「エコナクッキングオイル」は、発がん性物質に変わる可能性のある成分が含まれているという事でトクホが取り消されましたが、エコナ製造元の花王(株)と大学の癒着を指摘する声があります。

あるある捏造と花王の疑惑-反米嫌日戦線「狼」(反共有理)

「あるある」の放送テーマと、その際流れるCMの関係が絶妙で、番組を見た愚かな視聴者の花王製品に対する購買意欲を増進させるものとなっていたのだ。

当然ながら、番組の内容は電通によって事前に報告されており、選ばれるCMは花王が自社の判断で選定している。

花王の「ヘルシア緑茶」や「健康エコナ」の「トクホ」取得の臨床試験に協力した医師は、「あるある」への出演回数がトップ(06.1.8~07.1.7)の茨城キリスト教大の板倉弘重教授なのである。
記事では一般論と前置きして、日本薬剤師会の元幹部の証言を載せている。

“研究者が健康食品についてメーカーと共同で研究すれば、ポジティブなデータが出てくることが多い。研究費を出している以上、ネガティブなデーターは出しにくいですから。”

この医師が臨床試験に協力した「ヘルシア緑茶」にも含まれている「高濃度茶カテキン」が原因と疑われる肝障害がカナダで確認されています。

花王ヘルシアの高濃度茶カテキンで有害報告続々、「空腹時は飲むな、女性は注意」 日米欧研究-MyNewsJapan

また、ヘルシアコーヒーについても、普通のコーヒーをイカサマ試験で無理矢理トクホにしたという指摘や、血圧を下げる服作用があるという報告もあります。

花王『ヘルシアコーヒー』で脂肪は減らない 普通のコーヒーをイカサマ試験で無理矢理トクホに-MyNewsJapan

ヘルシアコーヒーで血圧が下がってしまう副作用、花王との癒着で「注意表示なし」のトクホ許可-MyNewsJapan

そして、とある花王関連サイトを見てみると…

花王健康科学研究会

“「トクホ」取得の臨床試験に協力し、「あるある」への出演回数がトップ(06.1.8~07.1.7)だった医師”が監修していました。

蛇足ですが、花王は、美白化粧品の回収で話題になったカネボウを傘下にしていますね。カネボウは、2005年に粉飾決裁が話題になった際、監査企業との癒着が指摘されました(コチラ)。

トクホ商品の臨床試験と、健康食品の評価の両方に関わる医師

興味深いのは、この医師は、(独)国立健康・栄養研究所の名誉所員にもなっている点です。

日本評論社

(独)国立健康・栄養研究所は、今は独立行政法人ですが、元は国が設立した機関で、健康食品のエビデンスを蓄積・公開する健康食品の安全性・有効性情報というサイトも運営しています。

このサイトで、試しに「エコナ」を検索してみると、2009年時点から情報は更新されていないようで、2013年現在も「現在調査が行われているところである。」となっています。ちなみに、エコナは今でも販売自粛されたままです。

エコナ検索結果

ついでにもうひとつ、肝障害が疑われる「ヘルシア緑茶」を検索してみても、肝障害などの「有害性」には一言も触れておらず、「安全性」と「有効性」のみ記載されています(ヘルシア緑茶検索結果)。

一方、健康食品については「いわゆる健康食品との因果関係が疑われる健康被害 (症例報告) (2011.9~)」として、外国での障害症例報告がまとめられています。

つまり、同じ医師が、トクホ商品を作る企業に関わる一方で、健康食品の安全性・有効性を評価する機関にも在籍し、さらに、単なる偶然の一致かもしれませんが、その機関の情報サイトには、トクホのネガティブな情報は掲載されていないという事になります。

横行する「トクホ」食品の嘘 普遍的でない「健康効果」でも、以下のような指摘があります。

問題はもちろん花王だけではない。現在、「体脂肪と中性脂肪上昇を抑える」唯一の食用油である「ヘルシーリセッタ」(日清オイリオ)はその安全性の根拠となった実験で、「四週間後に血清脂質、ケトン体、体脂肪に関して有意差がなく」通常の植物油と同じだと結論づけている。にもかかわらず、「効果」については別の論文で、BMIが二四・六前後(標準は二二)の被験者で四?十二週後に脂肪低減効果が出たとしている。

なぜこのようなことが横行するのか。そのカギの一つとなる公益財団法人がある。七百社以上の食品メーカーなどが加入する「日本健康・栄養食品協会」だ。定款にも謳っているが、トクホを広めるための窓口となる利害関係者集団だ。案の定、常務理事は厚生労働省からの天下りが座っている。〇九年の消費者庁発足を契機に、トクホの所管は厚労省から移ったが、縄張りには変化がない。

この協会の問題点は「健康・栄養食品研究」という学術誌の編集・発行だ。トクホの申請には学術誌での発表が求められる。つまり、「自作自演」のようなこの雑誌でも可能だ。もちろん、他の学術誌に投稿されるものもあるが、食品メーカーが加入する団体でこうした雑誌を出していること自体が疑念を呼ぶ。ここで産官学が手を結ぶのだ。

臨床試験を請け負う総合医科学研究所(総医研)という企業がある。ここはトクホの臨床試験を得意とし、「七割前後」(日本経済新聞)ともいわれたシェアを武器に〇三年に上場(現・総医研ホールディングス)を果たしている。手元に、その時期の「新株式発行並びに株式売出届出目論見書」という文書がある。創業者を筆頭とする株主には、何人もの学者が並ぶ。食品の効果を科学的に分析すべき学者が利害関係者になっていたのだ。ここでも産学は密接な関係にあることが分かる。

トクホが出来レースのように感じてしまうのは、私だけではないようです。
ちなみに、先の医師名と総医研でWeb検索してみると、共著論文がいくつも出てきます。
また、総医研の子会社、日本予防医薬(株)はイミダペプチドのサプリを販売していますが、これは、大々的なプロジェクトを立ち上げて、2010年にトクホ申請しましたが、いまだにトクホをとれていないようです。

総医研 2013 決算説明会資料

ちなみに、この医師は、現在「飲むヒアルロン酸 皇潤」で有名な(株)エバーライフが、2012年4に設立した年齢研究所の所長もされているようです(コチラ)。
(その後、(株)エバーライフは、2012年12月に韓国の企業に買収されています)

この医師名を楽天で検索してみると、バイブル本がたくさんヒットしますね。

(独)国立健康・栄養研究所は、健康食品の誇大広告になりそうな文言の例を挙げ注意しています(コチラ)^^;;; 当然、この医師の書籍では、誇大広告になりそうな文例はうまく回避しているのでしょうね。

逆に言えば、この医師に本のネタにしてもらった食品は、ある意味「お墨付き」をもらった事になります。共同研究費や顧問料など、動いているお金は、決して少なくないでしょうね。

また、この医師は、論文捏造で注目されるノバルティスファーマ(株)ともおつきあいがあるようです。

製品関連文献紹介-ノバルティスファーマ

この医師名と「捏造」「不正」で検索しても、目立った情報はヒットしません。

しかし、「不正までいかなくても、よ~く調べてみたら、アレ?」という先生も少なからずいらっしゃるのではないかという一例として、紹介させていただきました。

特に、トクホ関連は、この他にもアヤシイ事例がいくつかあります。興味のある方はWebで検索してみてはいかがでしょうか。

haniwaのヒトコト

今話題のカネボウやノバルティスファーマを調べた結果、共通する医師がヒットした事が、この記事を書くキッカケになりました。
「トクホ」でも後々に健康被害が明らかになる事があります。盲信しすぎはリスキーですね!

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