豊かさのもとは人である-「金のなる木の育て方」感想

金のなる木の育て方

著者のあだ名(兄貴)に興味をひかれて手にとってみました。
著者は、かつては不良だったものの、バブル崩壊を期にたった18万円のお金を持ってバリ島に移動し、約20年後には現地法人31社を持つようになった一世一代の大富豪。この本には、著者の実体験からつかんだ、本当の豊かさを手に入れるための59の法則が書かれています。内容は、人としての心の持ちようについてであり、お金を生み出す具体的なテクニックではありません。

「人」をないがしろにした社会やビジネスに、豊かさなんかあり得ない。それが、さんざん失敗をくり返し試行錯誤してきた俺の、心からの結論だ。
(p6)

昔は、「人・モノ・カネ」が順番どおりに優先されていました。しかし、今は、この順番が真逆になり、「正社員」になるのが子どもたちの将来の夢となっています。最近のニュースでも、労働者が「過剰在庫」になり、解雇しやすくできる「限定社員」枠を作ろうという動きも出てきています。つまり、ひとつの職場でずっと雇用される保障は、今よりも少なくなってきます。

そんな社会で、豊かに生きるためにはどうすれば良いのでしょうか。

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まずは自分から行動する

 まず人のために、自分から動け。自分がしてほしいことを、まず人にしてやったらいい。他人のことも自分のことのように考えてみるんだ。
(p31)

 まず自分が豊かになること、これは物心両面で大切だ。
 それがあって初めて「他人ごと」を考えることができるようになるからだ。
(p70)

 世話になって申し訳ない。良くしてもらってありがたい。そう思えるようになったなら、それが「お互いさま」の第一歩だ。
(p23)

人との縁をつくるために自ら動き、人を豊かにするために自ら豊かになる。著者の成功の秘訣は、まずは自分から行動するという点にありました。他人の見返りに期待するのはNGですが、お世話になるのはOKです。人に良くして人のお世話になりましょう。

あえて困難な選択をする

 もし目の前に普通の道と、普通じゃなく見える道があったとしたら、間違い無く普通じゃないほうを選んでみたらいい。
(中略)
 いちばんの特効薬は、ニッポンという小さな枠から外に出て、アジア人というカテゴリーに飛び出してみること。
(p66)

「働くこと」=「日本で就職すること」という考えは古く、就職がゴールでもありません。やりたい事があるなら、働き方や働く場所にとらわれずにどんどん挑戦すれば良いのです。複業はもちろん、将来に価値を見出せるならボランティアでも良いのではないでしょうか。

これからは、無から価値を生み出せる能力が求められます。
著者は、冷蔵庫が無かったバリ島で、冷蔵庫レンタルのビジネスをはじめました。日本では当たり前にある道具も、海外ではビジネスチャンスになるのです。

就職難による大学生の自殺者が話題になっていますが、自殺する勇気があるなら会社以外で働いたり日本を出れば良いのです。私の後輩も、約10年前に「日本の将来はダメダメだ」と言って海外に行きました。今は、海外でボランティアをしながら生活しています。

あえて困難な選択をすることは、新しい価値、生き方を見つけるチャンスにもつながります。

チャンスを生かせない人の3つの共通点

①中途半端で継続できない人。
②自分のことしか考えられない人。
③妬みや、やっかみの気持が強い人。

 この中でもいちばんやっかいなのが「妬みや、やっかみの気持ち」だ。
 他人にいいことがあると納得できない。ものごとを表面的にしか見ていないし、見たいものしか見ない。その裏にある苦労や努力を感じ取ろうとしない。
 あらぬ推測をして、本人のいないところで根拠のない悪口を言わずにいられない。
 そんな奴に、いい縁は来ない。たとえ来ても、離れていってしまう。
(p119)

同質性の強い日本人は、人と少し違う事をすると、とたんに妬みの対象になりますが、そういう言葉には耳を傾ける価値はありません。「人は人、自分は自分」と割り切って、言いたい事を言わせておけば良いのです。大切なのは、妬みを買わないことではなくて、目的を達成すること。をこを見誤らなければ良いのです。

著者の「金のなる木」は、最初は小さな苗でしたが、多くの人とはぐくんだ縁により巨木になりました。つまり、豊かさとは、金ではなく人を信じることなのです。

haniwaのヒトコト

金は額面以上の価値を生み出しませんが、人の縁はチャンスという無限の価値を生み出します。私も、金を重視した複業ばかりを行うのではなく、人との縁を大切にした活動も行っていきたいですね。

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